流量測定 2003.12
1.しぼり機構による流量測定方法( JIS Z 8762 -1995 )
上流圧と下流圧の圧力差を利用して流量を測定する.原理はベルヌーイの定理.
1-1 適用範囲 (φ50〜1200mmの円形管路内を満たした状態で流れる流体の流量を対象とする)
(1) オリフィス
(a) コーナータップオリフィス 圧力取出しはリングアッセンブリーから
(b) D・D/2 タップオリフィス 圧力取出しはプレート上流面から
上流側へD , 下流側へD/2
(c) フランジタップオリフィス 圧力取出しはプレート上流面から 1inch , 下流面から 1inch
石油関係で使用
(2) ノズル
ISA (ISO) 1932ノズル、長円ノズル : ボイラ・発電プラントの高温・高圧配管ラインで使用
(3) ベンチュリ管
円すい形ベンチュリ管、ノズル形ベンチュリ管 : 圧力損失を少なくするライン
通常、400A以下の小口径はオリフィスリングアッセンブリー(コーナータップ)を使用し、
150A以上の大口径は D・D/2 (ラジアス)タップオリフィスを使用する.縮流(ベナー)は参考として存在.
タップ取出口の穴径は 0.13D以下とし、6mm〜13mmとする.
1-2 単位
m3 / h 液体と気体の圧力・温度が使用状態の体積流量
m3 / h [N] [Normal]気体 1atm , 0℃乾燥 ( 1atm = 101.3kPa = 1.033kgf/cm2 = 760mmHg )
m3 / h [S] [Standard] 気体 1atm , 15.6℃ 100%飽和水蒸気圧 QN = 0.929QS
1-3 流量計算式
・非圧縮性流体(温度変化のない液体)
オリフィス等の検出方法とレイノズル数から求まる流量係数をα(実験値)、
絞り直径比(孔径d/上流管径D)をβ、使用状態における比重量をγ1[kg/m3]とすると、
差圧ΔP[kPa]より体積流量Q1[m3/h]が求まる.
・圧縮性流体(ガス等)
密度は圧力・温度により大きく変化する.標準状態(1atm , 0℃)に換算して求める.
上流側の圧力をP1[kgf/m2 abs]、標準状態の圧力をPn = 10332[kgf/m2 abs]、
上流側の温度をT1[K]、標準状態の温度をTn = 273.15[K]、
標準状態における比重量をγn [kg/m3]、気体の偏差係数をK 、膨張補正係数をεとして、
標準状態における乾燥気体の体積流量Qn [m3/h Normal]が求まる.
他に、湿り気体や重量流量を求める式があり、通常は専用ソフトで計算している.
1-4 オリフィス
一般に最も多く使用されているのは、同心円のエッジオリフィスである.
エッジ厚さtは、0.005D≦t≦0.02D の規定があり、プレート厚みが 0.02D より厚い場合、
0.02D以上の部分は逃げ角F ( 30°≦ F ≦45°又は45±15°) を設ける.
1-5 同心円オリフィス板の構造

1-6 タップ取出し方向
気体:水平より上側(真上から)
オリフィスの差圧取出し方向は、 液体:水平より下側(真下から)
蒸気:水平より上側(真上から) が望ましい.

1-7 圧力損失Δw
α:流量係数、 β:絞り直径比、 ΔP:差圧
1-8 直管長さ
JIS 表2 からの抜粋で直管の最小長さ(Dの倍数)を表す … 不確かさ等の詳細はJIS参照
|
|
上流側 |
下流側 |
||||||
|
β |
90°ベンド又はテイ1個(1個の分岐からの流れだけ) |
同一平面上にある2個以上の90°ベンド |
同一平面上にない2個以上の90°ベンド |
収縮管 |
拡大管 |
玉形弁全開 |
仕切弁全開 |
左に示す全ての継手類など |
|
0.50 |
14 (7) |
20 (10) |
40 (20) |
6 (5) |
18 (9) |
22 (11) |
12 (6) |
6 (3) |
|
0.60 |
18 (9) |
26 (13) |
48 (24) |
9 (5) |
22 (11) |
26 (13) |
14 (7) |
7 (3.5) |
|
0.70 |
28 (14) |
36 (18) |
62 (31) |
14 (7) |
30 (15) |
32 (16) |
20 (10) |
7 (3.5) |
少なくとも ( ) 内の値以上とする 但し、上流側または下流側のみとする
1-9 配管用炭素鋼鋼管SGP JIS G3452-1988
|
呼び径 |
外径 [mm] |
内径 [mm] |
肉厚 [mm] |
管質量 [kg/m] |
|
|
A |
B |
||||
|
100 |
4 |
114.3 |
105.3 |
4.5 |
12.20 |
|
125 |
5 |
139.8 |
130.8 |
4.5 |
15.00 |
|
150 |
6 |
165.2 |
155.2 |
5.0 |
19.8 |
|
175 |
7 |
190.7 |
180.1 |
5.3 |
24.2 |
|
200 |
8 |
216.3 |
204.7 |
5.8 |
30.1 |
|
225 |
9 |
241.8 |
229.4 |
6.2 |
36.0 |
|
250 |
10 |
267.4 |
254.2 |
6.6 |
42.4 |
|
300 |
12 |
318.5 |
304.7 |
6.9 |
53.0 |
|
350 |
14 |
355.6 |
339.8 |
7.9 |
67.7 |
|
400 |
16 |
406.4 |
390.6 |
7.9 |
77.6 |
|
450 |
18 |
457.2 |
440.4 |
7.9 |
87.5 |
|
500 |
20 |
508.0 |
492.2 |
7.9 |
97.4 |
1-10 オリフィス手配例 (計算書作成に必要な項目)
エアレーションタンク用送風量の場合
@流体:空気 A目盛流量:2000m3/h [N] B常用流量:1400m3/h [N] C配管内径:254.2mm
D流体圧力:60kPa G E流体温度:60℃ F形式:オリフィスリングアッセンブリー
G最大許容圧力損失:1kPa その他、相対湿度(65%)等の設計基準を確認
上記8項目は必須となります。
2.電磁流量計
2-1 測定原理
ファラデー電磁誘導の法則の応用 「導電性流体が磁界を横切ると、起電力を生じる」
フレミング右手の法則より、起電力Es = B D v
流量Qは、
導電率3μS/cm以上の液体が測定可能 (水道水 約100μS/cm) 流速v ≦ 10m/sec
測定できないもの:気体、蒸気、純水、油、界面活性剤を含む液体、水溶性でない有機溶剤等
2-2 検出器と変換器が分離しているときのケーブル結線

端子AB間に流量信号[mV]
(ABCを短絡すると指示は0)
XY間に励磁信号 AC 0.2[V]
2-3 配管への取付方(金属・フランジ形検出器のとき)
接液リングは、フランジ面より 6〜11mm出てます
締め付けトルク
JIS10K 50A : 24〜34Nm (245〜374kgf・cm)
JIS10K 100A : 22〜33Nm (224〜337kgf・cm)
JIS10K 200A : 44〜65Nm (449〜663kgf・cm)
JIS10K 400A : 72〜88Nm (734〜898kgf・cm)
2-4 接地
接地が不十分なとき、
出力のふらつき、ゼロ点の不安定、
出力のドリフトの原因となる
2-5 精度維持のための配管方法
検出器は満管で偏流が生じないようにする(空気溜まりを避け、直管部を確保する JIS Z 8764 )

上流側直管部の必要最小長さ

下流側直管部の必要最小長さ
変流の影響は2D以上を確保することで無視できます
2-6 方向の変更

内部リード線が切れないよう慎重に行う
Oリングが変形しないようにする
データ設定器(表示器)は垂直取付と水平取付に対応
90°異なるコネクタに差し替えて使用
2-7 電極の清掃
検出器は通常定期的に点検する必要はありません.
しかし、電極に油等が付着すると起電力の低下をまねき誤差の原因となります.このような流体を測定
する場合は、定期的に電極を清掃することが必要になります.
検出器を配管から取り外し検出器内面と電極を清掃することが望ましいのですが、配管から外さずに
電極清掃することが出来ます.
ただし、電極リード線が非常に細いため細心の注意を要します.
事前に準備するもの:専用工具(部番80356200-001)、ガスケット
3.渦流量計
3-1 測定原理
流体中に物体(三角柱など)を挿入すると、
その下流側で渦(カルマン渦)が挿入物の
両側から交互に規則的に発生する.
その発生周期は流速に比例する.
よって、渦の発生周期を測定することにより
流速を測定し体積流量を求める.
v [m/s] : 渦発生体側面の流速 (体積流量
[m3/s]÷通過面積[m2] )
d [m] : 渦発生体の流れに対する径
f [Hz] : 渦発生(交番揚力)周波数 f = 1/t
St : ストローハル数 約0.2

3-2 口径選定
渦周波数は、渦発生体と口径の相対的な形状寸法により異なる.また、流体の物性によっても異なる.
低流速では渦が発生しないため、測定可能・最小流量の確認を要す.
<液体>
最小流量は、比重基準と粘度基準のうち大きい値をとる.
<気体>
気体の種類ごとに密度・粘度が異なり、圧力・温度の影響も受けるので実流量換算とする.
<蒸気>
飽和蒸気は圧力と口径から最小・最大流量が決まる.
過熱蒸気は修正グラフから最小・最大流量を読み取る.
取付配管の振動等の雑音があると、最小流量値が上がりレンジの 20%以上となる場合がある.
配管に直接取り付けるので、メンテナンス性を十分考慮する.
ノイズキャンセル機能を持つので、D種接地は必ず行い必要十分なものとする.
主要流量計簡易比較表
|
|
電磁流量計 |
差圧式流量計 |
せき式流量計 |
質量流量計(YC製) |
超音波流量計 |
容積式流量計 |
渦流量計 |
|
理論式 |
ファラデー電磁誘導の法則 v∝e/B |
ベルヌーイの定理 ΔP ∝ F 2 |
JIS B 8302-1990 Q = k ・ H n |
差圧式+密度補 正演算機能 |
ドップラー式(泡有) 時間差式(泡無) |
Q ∝ V・N |
カルマン渦 v ∝ f |
|
検出要素 |
起電力 e |
差圧ΔP = 上流圧−下流圧 |
水位 H |
差圧、圧力、温度 |
速度変化 Δf |
一定体積V ×回転数N |
渦発生数 f |
|
測定信号と流量の関係 |
流量に比例 |
流量の平方根に比例 |
流量のn乗に比例 |
流量の平方根に比例 |
流量に比例 |
流量に比例 |
流量に比例 |
|
測定精度 |
±0.5% RATE |
オリフィス等 JIS Z 8762 ±4% F.S以上 |
三角・四角・全幅 JIS B 8302 ±4% F.S以上 |
±3% RATE |
各種有り ±3% RATE ±1.5 % F.S |
±0.5〜1.0% F.S |
±1% RATE |
|
レンジアビリティ |
∞ |
3〜5 |
10〜20 |
10〜20 |
( 約300 ) |
10〜20 |
約10 |
|
測定流体 |
導電性の液体 |
液体、気体、蒸気 |
河川水等 |
空気等 |
液体、気体、蒸気 |
液体 |
液体、気体、蒸気 |
|
サイズ |
φ15〜1500 |
全幅500〜8000 |
φ50,80,100 |
φ50〜3000 |
φ15〜400 |
φ25〜150 |
|
|
温度・圧力の制限 |
-40〜120℃ フランジ定格 |
〜600℃ 〜30MPa |
常温 常圧 |
-15〜70℃ 0.05〜0.98MPa |
各種 ( 0〜40℃ ) フランジ定格 |
〜500℃ 〜10MPa |
-40〜300℃ -1〜4MPa |
|
圧力損失 |
無し |
大 |
大 |
大 |
無し |
大(ストレーナ含めて) |
小 |
|
直管部の必要性 |
上流5〜10D 下流2D |
上流10〜80D 下流5〜7D |
上流10W W : せき幅 |
上流0.5〜40D 下流0.6D |
上流10D 下流5D |
不要 |
上流20D 下流5D |
|
レンジ変更 |
容易 |
差圧変更 又は オリフィス交換 |
サイズ変更 |
容易 |
容易 |
サイズ変更 |
サイズ変更 |
|
備考 |
|
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製品名AIRcube |
検証の必要有り |
重油測定に適す |
配管ノイズに弱い |